うたかたの

よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

ジャニーズ入門① きっかけ

わたしが初めてジャニーズの門を叩いたのは2022年の夏の終わり。

ぼんやりとスクロールしていた無料見逃し配信サイトで目に飛び込んできた見目麗しい男の子。中世的な顔立ちがキレイだと思った。それが始まり。

高良くんと天城くん | ドラマシャワー | MBS 毎日放送

 

再生ボタンを押す手前でそれがBLだと気づき、ちょっとだけうんざりした。最近ほんと多い気がする。これが多様性の時代ってやつ?多様性を表現するにはちょっと方向性が偏りすぎじゃない?いや違うか。ただ単純に需要があっての供給か。きっと好きな人にはたまらないのだろう。今わたしが生きているのは一昔前なら考えられない、ボーイズラブが市民権を得る世界線か。そう思うと、なんだか妙に感慨深い気もした。

感慨深いなんて言ってはみたけど、わたし自身はBL畑を開拓したことはない。近年のポピュラーどころ(「おっさんずラブ」とか「チェリまほ」なんかのピュア系ドラマ)を少々嗜んだくらいで、いわゆるにわかにさえなり切れていない認識だ。チェリまほに感銘を受けた際、もしや自分BLもいける口?と、興味本位でその扉に手をかけようとしたこともあった。だってほら、何事も経験って大事だし。ただ、そっと覗いたその先はわたしにとってあまりに魑魅魍魎然としすぎていた(ように見えた)。深追いはできない。というかわたしには向かないことを察した。

人にはそれぞれ好みがある。「みんなが好き」というときの「みんな」に、いつだって自分が含まれるとは限らない。大事なのは、誰かが大切にしている領域に決して土足では踏み込まないこと。たとえそれが自分にとって理解しがたいものであったとしても、それを誰かの聖域を荒らす理由にしてはいけない。不要な争いは避けるべき。平和、大事。ともかく、新しい世界へと続く扉からわたしはそっと距離を置いた。

 

主演のビジュアルきっかけで見始めたドラマだったけど、なんていうかすごく青春な作品で、映像美も含めて単純に好みだった。長いこと生きていると、自身の経年劣化も手伝って、いろんなものがどんどん薄汚れて見えてくる。そんなわたしにとって、純粋さだけで成り立つ世界はとても儚く美しく映った。ただこれが現実だと途端に胡散臭くなっちゃうので、「ただしエンタメに限る」のだけれど。

 

そんなこんなで、いつしかわたしはドラマ高天にすっかり魅了されていた。

そして、気付いたらわたしのすぐ目の前にジャニーズという名の巨大な入り口が立ちはだかっていたのだった。